ある理由がきっかけで東京都の環境に関心を持ち始めています。
東京都オープンデータカタログサイトに、PM2.5(微小粒子状物質)モニタリングデータ(1分値)がありましたので、Tableauを使用して、モニタリングデータを集計してみました。
東京都オープンデータカタログサイト
東京都オープンデータカタログサイトでは、東京都、および都内の区市町村が公開データを入手することができます。データのカテゴリーとして、環境、治安、まちづくり、観光、医療・福祉などがあります。現在は更新されていないと思いますが、新型コロナウイルスの感染者数なども提供されていました。
アプリなどでの活用事例も紹介されています。
一部のデータについては、APIも提供されているようですが、それほど多くなく、大半はフラットファイルやEXCELです。
PM2.5
PM2.5(微小粒子状物質)について、環境省のホームページに以下の記載があります。
大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質(SPM:10μm以下の粒子)よりも小さな粒子です。
PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が心配されています。
https://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html#ABOUT
環境基本法第16条第1項で、以下の環境基準が定められています。
1年平均値15μg/m3以下 かつ 1日平均値35μg/m3以下
Tableauでの可視化
Tableau Publicに作成したダッシュボードをアップロードいたしました。
PM2.5_concentration_in_Tokyo | Tableau Public
東京都のPM2.5測定地点の一覧を「測定局一覧」に載せてあります。都内の82地点で測定が行われており、これらの測定局におけるPM2.5濃度の毎分測定データからPM2.5の日平均濃度を計算してTableauに取り込みました。前処理については割愛しますが、欠損が発生していたため、欠損は除いて日平均濃度を算出しています。
日平均濃度から月平均濃度を算出して、グラフ化しました。データを取得できた、2022年2月から2023年6月のデータが取り込まれています。下の平均PM2.5濃度のグラフは全期間の平均で、上のグラフは下のグラフのフィルタとして機能します。
環境基準は大幅に下回っているようです。期間は2年未満ですが、冬は濃度が低下する傾向がありそうです。また、小金井市東町の濃度が高く、目立っています。別途要因は探索してみますが、こちらの測定局は2023年3月測定開始のようです。
続いて、測定局別の平均濃度と日別濃度のグラフです。画像は2023年6月の平均濃度ですが、測定局で大きな差はないように見えます。
月平均だと測定局間の差があまり見られなかったため、高濃度の日数を見てみました。下の画像は、15μg/m3以上の濃度の発生日数の集計結果です。データの存在する全期間で可視化しているため、数としては少ないです。マップから東側、23区で多く発生していることがわかります。また、環状7号線に沿って発生しているため、自動車の交通量が関係しているようです。八王子付近も多少発生しています。
まとめ
オープンデータのみでの可視化でも、興味深い結果が得られました。天候データなども組み合わせると更なる知見が得られそうです。