クッキーとは
クッキー(Cookies)は、ウェブサイトがユーザーのコンピュータやデバイスに保存する小さなデータファイルです。
これらのファイルは、ユーザーのウェブサイト訪問に関する情報を保存し、次回の訪問時にその情報を利用することで、ユーザー体験を向上させることを目的としています。
以下に、クッキーの詳細について説明します。
クッキーの種類
クッキーには主に以下の2種類があります。
- ファーストパーティクッキー(First-party cookies)
- ユーザーが訪問しているウェブサイト自身によって設定されるクッキーです。
- サイト内でのユーザーの動作を記憶し、次回の訪問時に利便性を向上させます。
- サードパーティクッキー(Third-party cookies)
- 訪問中のウェブサイトとは異なるドメインによって設定されるクッキーです。
- 広告ネットワークやアナリティクスサービスによって使用され、ユーザーのブラウジング行動を追跡するために利用されます。
クッキーの用途
クッキーはさまざまな用途に使用されますが、主に以下のような目的で利用されます:
- セッション管理
- ユーザーがウェブサイトを利用する際のセッション情報を管理します。ログイン状態を維持するためや、一時的なデータ保存に使われます。
- パーソナライズ
- ユーザーの好みや設定を記憶し、次回の訪問時に個別の体験を提供します。たとえば、言語設定やテーマカラーの選択などです。
- トラッキングと分析
- ウェブサイト運営者は、クッキーを使用してユーザーの行動を追跡し、サイトのパフォーマンスやユーザー体験を向上させるためのデータを収集します。
- 広告ターゲティング
- 広告ネットワークは、クッキーを利用してユーザーの興味や行動に基づいてターゲティング広告を配信します。
クッキーの管理と制御
ユーザーはクッキーの使用を管理し、制御するためのいくつかの方法があります。
- ブラウザ設定
- ブラウザの設定メニューからクッキーをブロックしたり、削除したりすることができます。また、特定のサイトに対してのみクッキーの設定を許可することも可能です。
- プライバシー拡張機能
- ブラウザのプライバシー拡張機能を使用することで、クッキーの使用をさらに制御し、プライバシーを保護することができます。
サードパーティクッキー
サードパーティクッキー(Third-party cookies)は、ユーザーが直接アクセスしたウェブサイト(ファーストパーティサイト)ではなく、外部のドメイン(サードパーティドメイン)によって設定されます。
サードパーティクッキーは、主に以下のような目的で使用されます。
- 広告とトラッキング
- サードパーティクッキーは、広告ネットワークやアナリティクスサービスによって使用され、ユーザーのブラウジング行動を追跡します。この情報は、ユーザーに関連する広告を表示するために利用されます。
- ユーザーエクスペリエンスの向上
- 一部のサードパーティクッキーは、ウェブサイトの機能を強化するために使用されます。たとえば、外部のチャットサポートツールやソーシャルメディアプラグインなどです。
サードパーティクッキーの特徴
- 設定元
- サードパーティクッキーは、ユーザーが訪問しているウェブサイトとは異なるドメインから設定されます。
- トラッキングの範囲
- これらのクッキーは、複数のウェブサイトにまたがってユーザーの行動を追跡できるため、広告ネットワークにとって非常に有用です。
プライバシーとセキュリティの問題
- プライバシーの懸念
- サードパーティクッキーは、ユーザーのオンライン行動を広範に追跡するため、プライバシーの懸念が高まっています。そのため、多くのブラウザはサードパーティクッキーのブロックや制限機能を提供しています。
- 法的規制
- プライバシー保護の観点から、EUのGDPR(一般データ保護規則)やカリフォルニア州のCCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)などの法規制がサードパーティクッキーの使用に影響を与えています。
Googleがサードパーティクッキーの廃止方針を撤回
2024年7月22日、Googleは「サードパーティクッキーの廃止方針の撤回」を表明しました。
オンライン行動の追跡によるプライバシーへの懸念の高まりなどから、2020年、Googleは「2022年までのサードパーティクッキー終了」を発表しましたが、その後は延期を続けていました。
今回、Googleは「サードパーティクッキーを廃止するのではなく、ユーザーの選択肢を高める新しい手法を提案する」と述べ、サードパーティクッキーの廃止予定を撤回しました。
具体的な新機能についてはまだ明らかにされていませんが、Googleは規制当局と協議を進め、展開時には広告業界とも連携するとしています。
なお、Googleは、個人特定できない形で興味・関心に応じた広告を配信する「プライバシーサンドボックス」の開発を続けるとしています。
おわりに
広告やデジタルマーケティングの業界としては、よかったのですかね。
プライバシーに関しては、AI含めて今後も様々な議論があると思いますので、ウォッチしていければと思います。