PowerShellのGet-CimInstance
は、システムやハードウェアに関する情報を取得する際に非常に便利なコマンドレットです。
このコマンドレットは、WMI(Windows Management Instrumentation)の後継技術であるCIM(Common Information Model)を利用しており、リモート操作や管理にも適しています。
Get-CimInstance
の基本的な使い方をまとめます。
Contents
Get-CimInstanceとは?
Get-CimInstance
は、CIMクラスのインスタンスを取得するためのコマンドレットです。これを使用すると、システム情報やハードウェアの状態、ネットワーク構成など、Windowsシステムに関する多種多様な情報を取得できます。
主な特徴
- CIMベースで効率的に情報を取得。
- WMIと互換性がある。
- リモートシステムに接続して情報取得が可能。
基本構文
以下は、Get-CimInstance
の基本的な構文です。
Get-CimInstance [-ClassName] <string> [[-Namespace] <string>] [-ComputerName <string>] [-Filter <string>]
主なパラメータ
-ClassName
: 取得したいCIMクラスを指定します(必須)。-Namespace
: 名前空間を指定(デフォルトはroot/cimv2
)。-ComputerName
: リモートコンピュータ名を指定。-Filter
: 条件を指定して取得データを絞り込む。
使用例
システム情報の取得
以下は、システムの情報を取得する例です。
Get-CimInstance -ClassName Win32_OperatingSystem
出力例
SystemDirectory Organization BuildNumber RegisteredUser SerialNumber Version
--------------- ------------ ----------- -------------- ------------ -------
C:\WINDOWS\system32 22631 xxxxxxxxxxx@outlook.jp 00356-06280-20060-AAOEM 10.0.22631
CPU情報の取得
CPUに関する情報を取得する例です。
Get-CimInstance -ClassName Win32_Processor
出力例
DeviceID Name Caption MaxClockSpeed SocketDesignation Manufacturer
-------- ---- ------- ------------- ----------------- ------------
CPU0 11th Gen Intel(R) Core(TM) i5-1135G7 @ 2.40GHz Intel64 Family 6 Model 140 Stepping 1 2419 U3E1 GenuineIntel
ディスク情報の取得
ディスクドライブの情報を取得する例です。
Get-CimInstance -ClassName Win32_DiskDrive
出力例
DeviceID Caption Partitions Size Model
-------- ------- ---------- ---- -----
\\.\PHYSICALDRIVE0 KBG40ZNS256G BG4A KIOXIA 3 256052966400 KBG40ZNS256G BG4A KIOXIA
サービスの状態を確認
システム上のサービス一覧と状態を取得します。
Get-CimInstance -ClassName Win32_Service | Select-Object Name, State, StartMode
メモリ情報の取得
物理メモリの情報を取得する例です。
Get-CimInstance -ClassName Win32_PhysicalMemory
フィルター条件の指定
取得データを絞り込みたい場合、-Filter
パラメータを使用します。
特定のドライブ情報を取得
たとえば、Cドライブの情報を取得するには以下のコマンドを使用します。
Get-CimInstance -ClassName Win32_LogicalDisk -Filter "DeviceID='C:'"
WMIとの違い
Get-WmiObject
は同様の機能を持ちますが、CIMの方が以下の点で優れています。
- 効率性
CIMは最新の通信プロトコル(WS-Man)を使用。 - クロスプラットフォーム対応
CIMは標準化された仕様であるため、他のOSにも対応可能。 - パフォーマンス
WMIより高速でリソース効率が良い。
よく使うCIMクラス一覧
以下は、よく使うCIMクラスの一部です。
CIMクラス名 | 内容 |
---|---|
Win32_OperatingSystem | OSの情報 |
Win32_Processor | CPUの情報 |
Win32_DiskDrive | ディスクドライブ情報 |
Win32_LogicalDisk | 論理ディスク情報 |
Win32_NetworkAdapter | ネットワークアダプタの情報 |
Win32_Service | サービス情報 |
まとめ
Get-CimInstance
は、Windowsシステムに関する情報を効率的に取得するためのツールです。管理者やエンジニアにとって非常に有用です。