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破産報道 菓子製造会社「秋月」について調べてみた

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2024年4月、菓子製造会社の「秋月」の破産についてのニュースが流れてきました。

どのような会社で、何故破産に至ってしまったのか、食品メーカーの倒産が及ぼす影響について調べてみました。

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企業概要(設立年・所在地・事業内容)

株式会社秋月は、1966年2月に設立された北海道札幌市の和洋菓子製造企業です。

資本金は1,000万円、代表取締役は品田憲宏氏が務めていました。

主な事業内容は和菓子・洋菓子の製造および販売で、特に札幌市内のスーパーやコンビニエンスストアへの卸売りを中心に展開していました。

札幌市北区新琴似に自社工場を構え、そこに直営の「秋月 アウトレット店」を併設し、スーパー向け商品だけでなく工場直売による菓子販売も行っていました。

アウトレット店では賞味期限が近い商品や製造過程で生じた余剰品を格安で提供し、地域の顧客に親しまれていたとの情報がありました。

※企業概要の主な項目を以下の表にまとめます。

項目内容
企業名株式会社秋月(Akizuki Co., Ltd.)
設立1966年2月​
本社所在地北海道札幌市北区新琴似4条1丁目1-35​
代表者品田 憲宏(代表取締役)​
資本金1,000万円​
事業内容和菓子・洋菓子の製造販売(スーパー・コンビニ向け卸売が中心)
工場・店舗札幌市北区新琴似に工場および直売アウトレット店を併設​
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破産申請に至った原因とその背景

秋月が破産申請に至った主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大による業績悪化と、その後の原材料費高騰・物価高騰による採算悪化が重なったことであるとされています。

コロナ禍でスーパー向け菓子の売上が不振に陥る中、材料費や燃料・電気代などのコストが急激に上昇して収益を圧迫し、コロナ収束後も続く物価高と消費者の節約志向によって販売不振から抜け出せなかったようです。

​実際、帝国データバンクの調査によれば原材料の価格高騰や物価高による売上伸び悩みにより事業継続が困難となり、秋月は2025年3月末までに事業を停止しました。(出典:htb.co.jp

こうした経営環境の悪化で資金繰りも逼迫し、自力での経営再建が困難と判断した結果、2025年4月1日付で札幌地方裁判所へ自己破産を申請するに至りました。長年にわたり地域に根差した老舗菓子メーカーであったが、コロナ禍以降の急激な経営環境の変化に対応しきれず倒産に追い込まれた形です。

財務状況(負債額・経営状況など)

秋月の負債総額は約1億3,000万円にのぼると報じられています。(出典:​n-seikei.jp​)

資本金1,000万円の中小企業規模に対し1億円超の負債を抱えたことで債務超過に陥り、債務の履行が困難となったと見られます。

2025年4月11日付で札幌地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けており​、法的整理手続きが進行中です。

破産管財人には綱森史泰弁護士(ほっかい法律事務所)が選任されており、今後は同氏の下で債権者への配当や資産処分などの手続きが行われる予定です。

経営状況としては、前述の通りコロナ禍以降に売上が低迷し赤字が続いていたものと推測され、事業停止直前の2025年3月時点では自力で債務返済や運転資金を賄えない状態にまで悪化していたと考えられる。

帝国データバンク札幌支店の調査コメントでも、事業停止に至るまで売上不振と採算悪化が続いていたことが指摘されています。

破産が与える影響(従業員・取引先・地域経済など)

今回の破産によって、秋月の従業員取引先、そして地域社会に対して以下のような影響が及ぶと考えられます。

従業員への影響

事業停止に伴い秋月の全従業員は職を失うこととなり、突然の失職は雇用や生活に大きな打撃を与えます。

長年勤めてきた社員にとっては、地域に根付いた企業の倒産によって再就職を余儀なくされる厳しい状況です。

倒産手続き開始が決定した4月11日以前に事業は停止しており、従業員へは未払い給与や退職金の問題なども発生し得ます。

取引先への影響

主力取引先であった道内のスーパーやコンビニ各社は、秋月からの和洋菓子供給停止に伴い代替商品の調達を迫られる可能性があります。

店頭に並んでいた「秋月」ブランドの商品は供給が途絶えるため、これら小売店は他の製菓業者の商品で穴を埋める必要があります。

また、秋月に原材料を卸していた業者や包装資材の納入業者など仕入先も、取引先喪失による売上減や秋月に対する売掛金の未回収リスクなどの影響を受ける恐れがあります。

さらに、秋月と取引のあった金融機関にとっても貸付金の回収が課題となり得ます。

地域経済・地域社会への影響

札幌市北区において半世紀以上にわたり営業してきた老舗の菓子工場と直売店が消失することは、地域コミュニティにとっても寂しい出来事です。

地元の消費者は、これまで手頃な価格で和菓子・洋菓子を購入できた身近な店舗を失うことになり、その生活利便性や地域の賑わいにも影響が出ると考えられます。

​実際、秋月のアウトレット店は安価でお菓子を買える場として重宝されていたため、閉店により「安くケーキを買える場所がまた一つ減ってしまった」と残念がる声も聞かれます。

SNS上でも営業休止を心配する投稿や、破産の知らせに対して驚きや悲しみのコメントが上がっており​、秋月の破産は地域のファンや顧客にも少なからず心理的な衝撃を与えています。

このように、従業員・取引先の経済面だけでなく、秋月が築いてきた地域の繋がりにも影響が及んでいる。

代表的な商品やブランド

秋月が製造・販売していた代表的な商品として、以下のような和菓子・洋菓子が挙げられます。

和菓子

べこ餅、どら焼き、豆餅の商品があります。​

べこ餅は白黒の縞模様が特徴の北海道伝統の餅菓子、どら焼きは小豆餡を挟んだ焼菓子であり、いずれも秋月の主要製品でした。

正月時期には豆餅(豆大福)など季節商品も提供していました。

洋菓子

ロールケーキ、カステラ、バームクーヘンなどの商品があります。

ロールケーキやカステラといった定番洋菓子から、年輪模様のバームクーヘンまで手掛けており、スーパーの洋菓子コーナーにも秋月製の商品が並んでいました。

プリンやシュークリームといった冷菓系スイーツを販売していたとの報道もあります​。

アウトレット商品

秋月アウトレット店で格安販売されていたスポンジケーキの端材「スポンジのみみ」は、1袋70円という安さで人気を集め、開店と同時に買い求める客も多かった​ようです。秋月はこうしたアウトレット商品も含め、幅広い菓子を提供していました。

秋月というブランド

秋月という社名自体がブランドとして確立されており、スーパーの店頭では「秋月」の名前で和洋菓子が販売されていました。

パッケージには企業名が表記されており、長年にわたり北海道の消費者に親しまれてきたブランドです。

社是やキャッチコピーとして「心温もる北の菓子」と掲げており(工場直売店の看板より)、地元の菓子メーカーとして地域に密着した商品展開を行っていました。

代表的商品はいずれも奇をてらったものではなく、地域の嗜好に合わせた素朴なお菓子であり、それゆえに幅広い世代に支持されていたと考えられます。

まとめ

秋月の破産に関する報道は事実関係(負債額や原因)を伝えるとともに、地元で親しまれた菓子店の突然の倒産に対する地域社会の驚きと惜別の感情を浮き彫りにしていると言えます。

長年築かれたブランドへの愛着をうかがわせる反応が多く、ローカルニュースからSNSまで幅広く話題となった点からも、秋月が地域にもたらしていた存在感の大きさが伺えます。

今後、同種業界や地域経済への波及についても注視されており、「物価高で経営が立ち行かなくなる中小企業が他にも出るのではないか」という不安の声も散見されます。単なる一企業の倒産に留まらず、コロナ禍後の経済環境下での中小企業の課題を象徴する出来事として受け止められていると言えます。

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