最近、現場担当者として、ITエンジニアのキャリア採用の一次面接を担当させていただく機会が増えました。ざっくり言うと、大手非IT企業のITエンジニアの採用という感じです。
売り手市場と言っても、誰でもよいわけではなく、転職希望者にとっても転職市場は競争が激しい場所なのではないかと思います。技術力だけではなく、すぐに貢献できる能力、自分のアウトプット、応募先企業への深い関心を明確に示すことが求められます。
転職者側と採用側、両方の経験を踏まえて、面接、アピールの注意点を書いてみたいと思います。全て個人の見解です。
即戦力としてのスキルを見せる
技術的なスキルのアップグレードは大切ですが、求職者として、すぐに貢献できることを示すことが必要です。やはり、どうしても即戦力を求めると思います。
そんな中「スキルアップしたい」とか「これから勉強」というような言葉を聞くと採用意欲が落ちます。昔から言われていることではありますが、自分で面接してみてしみじみ実感しました。
応募要件を満たした上で、さらにスキルアップ、という話であればよいのですが、基本的に言わない方がよいと思います。
特定のプロジェクトでスキルがどのように役立ったのか、それがどのような規模や難易度のプロジェクトであったのかを明示することが重要です。どのように困難を乗り越え、結果を出したのかを具体的に示されると、採用側は現場にすぐにフィットし、価値を提供できることを確認できます。
募集要項・応募条件から求める人材をイメージする
「即戦力としてのスキルを見せる」にも通じますが、募集要項、応募条件を踏まえて、応募先に貢献できることをアピールできている方は結構少ないのかなと思います。私は自分が転職するときに、この点を特に重要視していました。
中途採用の1次面接などで面接を担当する現場担当者、現場責任者は、多くの場合、人手不足で困っており、早期に活躍できる人材を求めているはずです。
募集要項や応募条件は、現場で「どのような人材を求めているか」がわかる重要な情報です。これらを読み込み、仕事内容を具体的にイメージした上で、求職者は自身の経験、スキルが活かせることを示す必要があります。暗記するくらい読んでおいても損はないと思います。
最終的に面接官に「うちに来てほしい」と思わせる必要があるわけですので、「どのような人材を求めているか」を理解、イメージすることはとても重要です。
また、応募前にそこまで行い、自分を採用してくれる可能性のある求人に応募することが近道です。転職エージェントに紹介されたから応募するのとでは、採用可能性や面接での話しやすさがまるで違うと思います。
自分のアウトプットを見せる
企業は実際のスキルを見たいと思っています。ポートフォリオやGitHubで公開したコード、ブログ記事など、スキルと経験を示す具体的なアウトプットです。
面接前にこれらのアウトプットを整理し、それぞれがどのようなスキルを示し、どのような課題を解決したのか説明できるように準備できているとベストです。技術的な深度と幅、問題解決能力を示す絶好の機会です。
最近はWEB面接なので、画面共有してアウトプットを見せていただいたこともありますが、印象がかなり違います。
応募先への関心を示す
応募先に真剣に関心を持っていることを示すことは、採用決定に大きな影響を与えます。すぐに辞められると現場として困るからです。
応募先企業の製品やサービスについて深く理解し、それらが解決しようとしている問題や、市場での位置付けについて語ることが求められます。
製品を使った体験談や、その企業のビジョンにどのように共感しているのかを具体的に話すことで、応募先への深い関心と熱意を示すことができます。
ビジョンへの共感などは、最終面接で役員クラスに向けたアピールでもよいかもしれません。
まとめ
ITエンジニアとしての転職を成功させるためには、即戦力としてのスキル、自分のアウトプット、応募先への深い関心を明確に示すことが重要です。これらは求職者の価値を最大限に引き出し、競争の激しい転職市場で一歩リードするための要素です。
自信を持ってこれらの要素をアピールし、応募先との良好な関係を築くための最初の一歩としましょう。