複数テーブルにまたがってユニークなIDを生成したい場面があると思います。
そのような時には、UUIDを使用するのが便利です。
UUIDとは
UUID(ユニバーサルユニーク識別子)は、標準化された128ビットの識別子であり、世界中のほぼ全ての環境でユニークなIDを生成するために使用されます。
非常に大規模な空間での衝突を避けるために設計されているため、UUIDはスキーマをまたいで、さらには複数のデータベースやシステムにまたがってもユニークであると考えることができます。
UUIDは128ビットの数値で表されますが、16進法による文字列で表現されることが多いです。例えば、550e9523-e30b-41d4-a716-476567440000のような形式です。
UUIDはURN(Uniform Resource Name)という命名規則に従って割り当てられます。
具体的な命名規則は以下の通りです。
UUID = A-B-C-DE-F
A: タイムスタンプの下位フィールド
B: タイムスタンプの中間フィールド
C: タイムスタンプの上位フィールド(バージョン付加)
D: クロックシーケンスの上位フィールド(バリアント付加)
E: クロックシーケンスの下位フィールド
F: 空間的に一意なノードID
UUIDの一意性と確率
UUIDは絶対に重複しないわけではありませんが、重複する可能性は極めて低いです。
約100年間毎秒10億のUUIDを連続で生成した場合でも、新たに生成したUUIDが過去のものと一致する確率は約50%です。
一意性が保証されているため、広く利用されています。
UUIDのバージョン
UUIDの生成方法を示します。主なバージョンには以下があります。
- バージョン0
RFC4122のtime-basedバージョン - バージョン1
DCE Securityバージョン - バージョン2
RFC4122のname-basedバージョン(MD5ハッシュ) - バージョン3
RFC4122の乱数使用バージョン - バージョン4
RFC4122のname-basedバージョン(SHA-1ハッシュ)
Snowflakeの UUID_STRING 関数の使用方法
Snowflakeでは、UUIDを生成するためにUUID_STRING()
関数を使用できます。
これにより、複数のテーブルにわたってユニークなIDを簡単に生成できます。
Snowflakeの UUID_STRING 関数のドキュメントはこちらです。
https://docs.snowflake.com/ja/sql-reference/functions/uuid_string
以下に関数の方法を示します。
テーブルの作成
まず、UUIDを使用するテーブルを作成します。
CREATE TABLE Table1 (
RECORD_ID STRING DEFAULT UUID_STRING(),
DATA VARCHAR
);
CREATE TABLE Table2 (
RECORD_ID STRING DEFAULT UUID_STRING(),
DATA VARCHAR
);
データの挿入
データを挿入する際に、RECORD_ID
列には自動的にUUIDが生成されます。
INSERT INTO Table1 (DATA) VALUES ('Sample data for Table1');
INSERT INTO Table2 (DATA) VALUES ('Sample data for Table2');
これにより、各テーブルのRECORD_ID
はユニークなUUIDで満たされます。
レコードの確認
挿入されたデータと生成されたUUIDを確認します。
SELECT * FROM Table1;
SELECT * FROM Table2;
UUIDを手動で生成して使用する場合
SET unique_id = UUID_STRING();
INSERT INTO Table1 (RECORD_ID, DATA) VALUES ($unique_id, 'Sample data with manual UUID');
INSERT INTO Table2 (RECORD_ID, DATA) VALUES ($unique_id, 'Sample data with manual UUID');
このようにすることで、特定のUUIDを複数のテーブルにまたがって使用することも可能です。
まとめ
SnowflakeでUUIDを使って複数テーブルにまたがるユニークなIDを生成する方法を示しました。UUID_STRING()
関数を使用することで、簡単にユニークなIDを生成でき、データの一意性を保つことができます。