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調和平均は何に使う?定義と使いどころ

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調和平均は、算術平均や幾何平均と並ぶ代表的な平均値の1つです。

調和平均は、速さや割合が異なる値を平均化する際に役立ち、算術平均とは異なる結果を出す場合があります。

調和平均の定義や使いどころをまとめます。


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調和平均の定義

調和平均は、以下の公式で計算されます。

$$ 調和平均 = \frac{n}{\frac{1}{x_1} + \frac{1}{x_2} + \dots + \frac{1}{x_n}}$$​

ここで、

nはデータの個数(値の数)

x1, x2, …, xnは各データの値

です

調和平均は、主に「速度」や「効率」など、逆数での平均を取りたい場合に用いられます。

算術平均と違い、時間や効率を重視した結果が得られるため、速度や割合が異なるデータセットを扱う場合に適しています。


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調和平均の使いどころ

調和平均は、主に次のような場面で利用されます。

  • 異なる速度での移動
    複数の異なる速さで移動した場合の平均速度
  • 効率の平均
    異なる効率の作業を行った場合の平均効率
  • 割合が重要な場面
    特定の割合や重みが異なるデータを扱うとき

調和平均を使うことで、単純に数値を足して割る算術平均とは異なる正確な平均値を得ることができます。


使用例

異なる速さでの移動の平均速度

調和平均の使い方を、具体的な例でみてみます。

ある人が自転車で家から会社まで移動したとします。

  • 行きは時速15キロメートルで会社へ向かいました。
  • 帰りは疲れてしまい、時速10キロメートルで家に戻りました。

この場合、平均の速さはどうなるでしょうか?

単純に15キロメートルと10キロメートルを足して2で割ると、(15 + 10) / 2 = 12.5 キロメートルとなりますが、実際にはこれは正しくありません。

なぜなら、行きと帰りにかかる時間が異なるため、調和平均を使って計算する必要があります。

計算手順

  1. 速さの逆数を求めます。
    • 行きの速さの逆数:1 / 15
    • 帰りの速さの逆数:1 / 10
  2. 逆数を足します。
    $$ \frac{1}{15} + \frac{1}{10} = \frac{2}{30} + \frac{3}{30} = \frac{5}{30} $$​
  3. 合計の逆数を取り、2つのデータがあるので倍にします。
    $$ 調和平均 = \frac{2}{\frac{5}{30}} = \frac{2 \times 30}{5} = 12 $$

つまり、行きと帰りの平均の速さは時速12キロメートルです。


調和平均が有効なケース

調和平均は、単純に数値を足して平均を取る方法(算術平均)とは異なるため、使うべき場面を理解しておくことが重要です。特に次のようなケースで有効です。

  • 速さや効率が異なる場合
    例えば、異なる速度や効率で進んだ場合の全体の平均速度や効率を求める場合。
  • 時間や割合が重要な場合
    特に、同じ時間で異なる効率の作業やプロセスが存在する場合、調和平均を使うことで正確な結果を得られます。

調和平均は、金融、物理学、交通の分野など、さまざまな実務で活用されています。

たとえば、異なる投資のリターンを平均化する場合や、異なる製品の生産効率を評価する場合に用いられます。


速度の例に関して、「時間は算術平均でよいが、速度は調和平均を使うべき理由」を一言で説明すると、「速度は距離に対して逆数の関係があるため、異なる速度の平均を正確に出すには、時間で重みづけを行う必要があるから」です。

速度を単純に足して平均すると、距離にかかる時間が無視されてしまい、実際の移動に要した時間を反映しない不正確な結果になります。

まとめ

調和平均は、速さや割合が異なるデータを扱う際に役立つ特別な平均値の計算方法です。算術平均とは異なり、調和平均は時間や効率を重視した計算を行います。異なる速度で移動した場合や異なる効率で作業を行う場合に、正確な平均を求めるために使われます。

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