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生成AIを活用した議事録作成の事例|LINE WORKS AiNote・Otolio・住友商事Copilot

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はじめに

会議のたびに録音を聞き直し、メモと照らし合わせながら議事録を作成する。この作業に多くの時間を費やしている方は少なくないはずです。国内企業を対象にした調査では、AI議事録ツールを導入した企業の約6割が「会議後のフォローが早くなった」と回答しており、従業員100名以上の企業では導入率が3割を超えているとのデータもあります。

議事録作成は、業種や企業規模を問わずほぼすべての組織で発生する定型業務であるにもかかわらず、これまでは属人的なやり方に頼らざるを得ない領域でした。しかし生成AIによる音声認識・要約技術の進化により、この状況は急速に変わりつつあります。建設業のように現場と会議が多い業種、自治体のように議事録の正確性が特に求められる組織、そして数千人規模の従業員を抱える大企業まで、それぞれの事情に応じた形で議事録作成AIの導入が進んでいます。

本記事では、建設業界・自治体・大企業という3つの場面に分けて、企業名と数値を含めた議事録作成AIの活用事例を、公式発表やプレスリリースなどの一次情報をもとに整理します。建設業界における生成AI活用の全体像については建設業界の生成AI活用事例まとめでも取り上げていますが、本記事では議事録作成という業務に絞って、より具体的な導入効果を紹介します。

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建設業界における議事録作成AI活用事例

建設プロジェクトでは、施主・設計者・元請・協力会社など多くの関係者が関わる会議が頻繁に発生します。会議の議事録は関係者間の認識をそろえるために欠かせない一方、現場担当者にとっては録音の聞き直しやメモの整理に多くの時間を取られる負担の大きい業務でもありました。こうした課題を背景に、建設業界ではAI議事録ツール「LINE WORKS AiNote」の導入が相次いでいます。

大豊建設|議事録作成にかかる時間が1/10程度に短縮

大豊建設株式会社は2025年8月、発注者との打ち合わせやジョイントベンチャーの定例会議など、現場や本社で行われるさまざまな会議の議事録作成に多くの時間を要していたことを背景に、「LINE WORKS AiNote」を本格導入しました。

同社ではもともとボイスレコーダーで会議を録音し、音声を再生しながら会議中のメモと照らし合わせて内容を整理していましたが、現場からの要望を受けて試験導入したところ、音声認識の精度と時間削減効果が確認できたため本格導入に至ったといいます。大豊建設では、議事録作成にかかっていた時間が1/10程度になったという現場の声も紹介されており、高精度な音声認識と話者分離、AIによる要約機能が評価されています。

飛島建設|現場のAI議事録自動作成ツール導入

飛島建設株式会社も2025年6月、AI議事録自動作成ツール「LINE WORKS AiNote」を導入したことが発表されています。「LINE WORKS AiNote」は2024年11月のリリース以降、2026年時点で10万社以上に導入されているサービスで、既存の「LINE WORKS」と同じアカウントで利用できる手軽さから、建設現場を中心に採用が広がっています。

大塚商会|技術部門2,600名の議事録作成時間を半減

IT関連商社大手の株式会社大塚商会は2026年2月、技術部門のエンジニア約2,600名を対象に「LINE WORKS AiNote」を導入したと発表しました。同社の技術部門はハードウェア保守からシステム開発、CAD関連まで幅広い業務を担っており、特にシステム開発を行うアプリケーション部門では仕様決定や要件定義の会議が長時間化しやすく、会議時間の2〜3倍の時間を議事録作成に要することが課題となっていました。

複数サービスのテスト運用と比較を経て2025年7月より順次導入を開始した結果、大塚商会は技術部門の約2,600名を対象に導入し、議事録作成にかかる時間が従来の半分以下に減少しました。フィラー除去機能や話者分離機能により「言った・言わない」の確認作業も減少し、SSOによる一元的なID管理で数千名規模の利用にも対応できる体制を構築しています。

自治体における議事録作成AI活用事例

行政事務においても、議事録作成は職員の負担が大きい業務のひとつです。議会や委員会の議事録は正確性が強く求められるうえ、職員は本来業務と兼務でプロジェクトに関わることが多く、議事録作成のための時間を確保すること自体が難しいという事情があります。こうした背景から、自治体でもAI議事録ツール「Otolio(旧:スマート書記)」の導入が進んでいます。

山形県寒河江市|行政事務DXの一環として議事録効率化に着手

山形県寒河江市は2022年4月より、自治体のDX推進の一環として「Otolio」を導入しています。同市ではそれまでICレコーダーで会議を録音し、音声データを何度も聞き直しながら議事録を作成していましたが、通常業務と並行して議事録作成の時間を捻出すること自体が困難な状況でした。選挙管理委員会のように会議が集中する時期には、さらに時間確保が難しくなるという課題もあったといいます。

デジタル戦略アドバイザーの助言や独自の情報収集をもとに8つのサービスを比較検討した結果、文字起こしの精度と操作性の高さが決め手となり導入を決定しました。導入後は、議会の分科会など手作業に比べて議事録作成の時間が大幅に短縮されたほか、庁内の各課では編集作業をせずに文字起こし内容をそのまま共有するといった活用シーンも広がっているといいます。

「Otolio」はこのほか、東京都庁への全庁導入をはじめ、セキュリティ要件の厳しい自治体や東証プライム上場企業を含め、累計7,000社以上に利用されているサービスへと成長しています。

大企業における議事録作成AI活用事例

数千人から1万人規模の従業員を抱える大企業では、議事録作成AIの導入効果がより大規模な業務時間削減として現れています。ここでは、専業のAI議事録ツールを導入したIT系企業と、Microsoft 365 Copilotを全社導入した住友商事の事例を紹介します。

IT・通信業の大手企業|Rimo Voiceで議事録作成時間を約1/5に

従業員1,000名を超えるIT・通信・インターネット業界の企業では、AI議事録ツール「Rimo Voice」の導入により、1件あたり5〜6時間を要していた議事録作成が約1時間まで短縮されました。内訳を見ると、文字起こしにかかっていた3〜4時間の作業が30分に短縮されました。さらに内容の確認・修正作業も2〜3時間から30〜40分程度まで圧縮されており、会議終了からわずか5〜10分で文字起こしと要約が完了する処理速度が、迅速な意思決定につながっているといいます。

「Rimo Voice」は純国産のAI議事録ツールとして25万人以上に利用されており、役員会議の議事録作成時間が半減した、監査ヒアリングの議事録作成が1/4程度になったといった事例も報告されています。

住友商事|Microsoft 365 Copilotの全社導入で年間12億円のコスト削減

総合商社の住友商事は2024年4月、海外グループ会社を含む約9,000人を対象に「Microsoft 365 Copilot」の一斉利用を開始しました。TeamsやOutlookなど日常的に使うアプリケーションと連携し、会議の議事録作成やメールの要約といった日常業務から、投資先分析や財務分析まで幅広い場面で活用されています。

2025年10月時点で月間アクティブユーザーは約90%に達しており、住友商事では海外グループ会社を含む約9,000人がMicrosoft 365 Copilotを利用し、コスト削減効果は年間約12億円に上ります。同社はユースケースやプロンプト例を一方的に配布するのではなく、活用に意欲的な社員が「Copilot Champion」としてアンバサダーとなり、社内研修やグループワークを通じて活用文化を広げる施策を進めている点が特徴です。森林資源事業ユニットでは、契約書の比較確認や決算書分析といった作業が数時間からわずか数十秒に短縮された例も紹介されており、議事録作成にとどまらない全社的な生産性向上につながっています。

議事録作成AIツールを選ぶ際の視点

ここまで紹介した事例からは、議事録作成AIを選定する際にいくつか共通する視点があることが見えてきます。

文字起こし精度と話者分離機能

寒河江市の事例が示すように、議事録作成AIの価値は文字起こしの精度に直結します。誰が発言したかを自動で整理する話者分離機能や、フィラー(「えー」「あのー」など)を除去する機能は、後工程での編集作業を大きく減らします。大塚商会の事例でも、話者分離機能によって「言った・言わない」の確認作業が減少したことが評価されています。

既存の業務ツールとの連携のしやすさ

「LINE WORKS AiNote」が既存の「LINE WORKS」アカウントでそのまま利用できる点や、Microsoft 365 Copilotが普段使うTeamsやOutlookからワンクリックで呼び出せる点のように、既存の業務基盤とシームレスに連携できるかどうかも、現場への定着を左右する重要な要素です。新しいツールを覚える負担が小さいほど、現場での利用率は高まりやすくなります。

セキュリティ要件と料金体系

自治体や上場企業のようにセキュリティ要件が厳しい組織では、SSO連携やアクセス管理の柔軟性が選定の決め手になります。また、大塚商会の事例のように組織全体の利用時間をベースにした料金設計は、数千名規模での展開において導入コストを見通しやすくするメリットがあります。

まとめ

議事録作成AIの活用事例を見ると、建設業界のように現場の負担軽減を目的とするケースから、自治体のように行政事務DXの一環として位置づけられるケース、そして住友商事のように全社的な生産性向上施策の一部として展開されるケースまで、導入の目的や規模はさまざまです。共通しているのは、議事録作成という定型業務をAIに任せることで、本来集中すべき業務や創造的な仕事に時間を振り向けられるようになるという効果です。

今後は、文字起こしや要約にとどまらず、議事録の内容を社内の業務システムと連携させて共有プロセスまで自動化する取り組みも広がっていくと見られます。自社の会議の課題や規模に合わせて、どのツールがどの程度の効果を発揮しているのか、本記事で紹介した事例を参考にしていただければ幸いです。

参考サイト・引用元一覧

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