投資や資産運用を行う際、利回りは非常に重要な指標です。
利回りは投資の収益性を示し、どの程度のリターンを得られるかを評価するために使用されます。
利回りとは?
利回りとは、投資した元本に対してどれだけの利益を得られたかを示す割合のことです。
一般的に、利回りは年率で計算され、以下のように表されます。
利回り = (収益 ÷ 元本)× 100(%)
たとえば、100万円を投資して1年間で5万円の利益が出た場合、その利回りは次のように計算されます。
利回り = (5万円 ÷ 100万円)× 100 = 5%
平均利回りとは?
平均利回りは、複数の投資や複数年にわたる利回りを平均化したものです。
複数の投資期間や異なる年の利回りを比較して、全体としてどれくらいのリターンを得たかを示すために使用されます。
平均利回りの計算方法には大きく分けて 算術平均 と 幾何平均 という2つの方法があります。
それぞれを詳しく説明します。
算術平均利回りの計算方法
算術平均利回りは、各年ごとの利回りの単純な平均です。
たとえば、複数年にわたる投資の利回りを計算する場合、各年の利回りを足して年数で割ることで算出します。
算術平均利回りの公式
算術平均利回り = (年ごとの利回りの合計) ÷ 年数
例
3年間の投資で、各年の利回りが次のような例を考えます。
- 1年目:4%
- 2年目:6%
- 3年目:8%
この場合、算術平均利回りは次のように計算します。
算術平均利回り = (4% + 6% + 8%) ÷ 3 = 6%
この方法はシンプルで分かりやすいですが、複利効果を無視しているため、実際の投資リターンを正確に反映しない場合があります。
幾何平均利回りの計算方法
幾何平均利回りは、利回りの複利効果を考慮した計算方法です。
利回りが年ごとに異なる場合、最終的に投資がどの程度の増加率を持つかをより正確に示します。
幾何平均利回りは、特に年ごとの変動が大きい場合に有用です。
幾何平均利回りの公式
幾何平均利回り = ((1 + 年1の利回り) × (1 + 年2の利回り) × … × (1 + 年nの利回り))^(1/年数) - 1
例
再び3年間の投資で、各年の利回りが以下の場合を考えます。
- 1年目:4%
- 2年目:6%
- 3年目:8%
幾何平均利回りの計算は次のようになります。
幾何平均利回り = ((1 + 0.04) × (1 + 0.06) × (1 + 0.08))^(1/3) - 1
≈ 0.05925 (約5.93%)
この結果から、算術平均利回りの6%に比べて、幾何平均利回りは約5.93%とわずかに低くなります。
これは、幾何平均が利回りの変動を考慮しているためです。
どちらを使うべきか?
- 算術平均利回りは、単純に各年の利回りを平均化するため、投資期間が短く、各年の利回りが安定している場合に適しています。
- 幾何平均利回りは、利回りが年ごとに大きく変動する場合や、長期間の投資に適しており、複利効果を考慮した正確な投資パフォーマンスを評価するために使われます。
まとめ
平均利回りを計算する際には、目的に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。算術平均はシンプルな方法ですが、幾何平均は複利効果や年ごとの変動を考慮するため、より正確に投資成果を評価できます。