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生成AIを活用した資料作成の事例|NEC・パナソニック コネクト・デンソー・SBテクノロジー・MIXI【2026年9月】

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資料作成に追われる時間、生成AIはどこまで肩代わりできるのか

日々の営業提案書、社内稟議資料、経営会議用のスライド作成に追われているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。情報収集、構成づくり、文章化、体裁を整える作業まで、資料作成には数多くの工程があり、1件あたり数時間かかることも珍しくありません。

近年、ChatGPTやMicrosoft 365 Copilot、Geminiといった生成AIが資料作成の現場に浸透し始め、情報収集からドラフト作成、要約、レビューまでを大幅に効率化する事例が国内企業から相次いで報告されています。本記事では、資料作成領域における生成AI活用の最新事例を、各社の公式発表・プレスリリースをもとに紹介します。あわせて、実践的な活用ステップと注意すべきリスクについても解説します。

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資料作成における生成AI活用事例5選

ここでは、資料作成を主要な効果の一つとして公表している国内企業の事例を紹介します。いずれも公式サイトやプレスリリースなど一次情報にもとづいています。

NEC:資料作成時間を50%削減、議事録作成は30分から5分に

NECは2023年5月から、国内NECグループ社員約8万人を対象に社内向け生成AIサービスの展開を開始しました。社内チャットやWeb会議ツールなどの社内システムとも連携し、利用者数約2.5万人、1日あたり約1万回の活用が進んだ結果、資料作成時間の50%削減、議事録作成時間は平均30分から約5分への短縮という成果が2023年8月30日付のプレスリリースで公表されています。あわせて、脅威インテリジェンスにおける検知ルール実装作業の工数を約80%削減、コンタクトセンターのFAQ作成工数を75%削減するなど、資料・文書作成に関わる幅広い業務で効果が確認されています。

パナソニック コネクト:ConnectAIで年78.8万時間を削減、提案書・設計書作成にも拡大

パナソニック コネクトは2023年2月、OpenAIの大規模言語モデルをベースとした社内向けAIアシスタント「ConnectAI」を国内全社員(当時約1万2,400人)に展開しました。2024年6月の発表では、導入から1年間で全社員の労働時間を18.6万時間削減したことを明らかにしています。

さらに直近の2026年7月29日付プレスリリースでは、2025年度の削減時間が78.8万時間(年間総労働時間の3.4%)に達したことを公表しました。利用回数は361万回(前年比1.6倍)、1回あたりの削減時間は33分(同1.2倍)に伸びており、議事録作成やコード生成に加え、提案書作成支援や設計書・仕様書作成といった個人業務での活用拡大がその牽引役になったとしています。2026年度からは同社のデザインテンプレートに沿ったプレゼンテーション生成機能も追加されており、資料作成支援は今後さらに強化される見込みです。同社は2030年に総労働時間の10%をAIで削減する目標も掲げています。

デンソー:Microsoft 365 Copilotで英語資料の作成・翻訳を効率化

自動車部品大手のデンソーは、2023年10月にMicrosoft 365 Copilotを300人規模で先行導入し、汎用業務において1人あたり月12時間の時間削減を確認しました。この結果を受けて2024年4月に本社6,000人へ、同年7月には本社3万人への展開を決定しています。

グローバル企業として英語資料の作成や和訳の機会が多い同社では、Copilotの翻訳機能の精度の高さが現場で評価されているほか、設計部門では社内に蓄積されたデータをもとにした新たな観点の提示によって、資料の質そのものが向上した事例も報告されています。製造業における生成AI活用の全体像は、製造業の生成AI活用事例|設計開発・技術伝承・予知保全でもあわせて紹介しています。

SBテクノロジー:提案書のリード文要約と「仮想レビュー」で質とスピードを両立

SBテクノロジーは2024年9月にMicrosoft 365 Copilotの全社導入を決定し、2ヶ月後には全社員1,100人が利用を開始、Copilot利用率は92%に達しました。営業部門では、訪問前調査・資料準備・商談準備という営業プロセスの各段階でCopilotの活用方針を明確化しています。

特に活用頻度が高いのが資料準備におけるナレッジ検索です。「製造業に提案するためのAI関連資料を探して」といった自然文の指示で、社内のどこに格納されているか分からない情報も含めて類似情報を探し出せる点が評価されています。提案書作成では、PowerPointの資料データをCopilotにアップロードし、200文字程度の要約文を作成させてリード文のベースにするほか、Copilotを上長に見立てて「どこに指摘が入りそうか、理由もあわせて教えて」と壁打ちする仮想レビューも実践しており、資料の質と作成スピードの両立を図っています。

MIXI:ChatGPT Enterpriseで企画書・レポート作成、1人あたり月11時間を削減

MIXIは2025年3月に全従業員へChatGPT Enterpriseを導入し、3か月後の活用状況調査で全社の月間業務削減時間が約17,600時間、1人あたり月間約11時間に相当すると公表しました。日常業務における活用方法として最も多かったのは「文章コンテンツの作成と編集」です。

部門別の事例では、みてねマーケティング部が企画業務に活用して月間約28時間を削減したほか、投資事業部ではスタートアップやVCファンド投資の初期検討における情報整理・レポート作成を自動化し、1社あたりの作業時間を最大90%短縮(年間約108時間相当の削減効果)した事例が報告されています。法務部門でも利用規約確認業務に活用し、月間約40時間の業務効率化につなげています。

資料作成に生成AIを使う3つの実践ステップ

各社の事例に共通するのは、資料作成の全工程を丸ごとAIに任せるのではなく、時間のかかる工程を切り出して部分的に活用している点です。ここでは実務に落とし込みやすい3つのステップを整理します。

ステップ1:構成・アウトラインをAIに任せる

真っ白な状態から資料の構成を考える作業は、意外と時間がかかります。「〇〇向けの提案資料の骨子を、課題・解決策・導入効果・費用の4章構成で作って」のように目的とターゲット、章立ての方向性を伝えるだけで、たたき台となるアウトラインを数分で得られます。SBテクノロジーの事例のように、社内データを参照できる環境であれば、過去の類似資料を検索させてから骨子を作らせるとより精度が高まります。

ステップ2:ドラフト作成と要約でたたき台を素早く作る

構成が固まったら、各章の説明文や箇条書きの草案を作成させます。長い市場調査レポートや会議の議事録を要約させて資料に組み込む使い方も効果的です。NECやパナソニック コネクトの事例では、こうした情報収集からドラフト作成までの工程をAIに任せることで、社員は判断や仕上げといった最終工程に集中できるようになったと報告されています。

ステップ3:AIによる仮想レビューで質を高める

作成した資料をAIにレビューさせる使い方も広がっています。「読み手の立場で分かりにくい箇所を指摘して、理由もあわせて教えて」と依頼すれば、上司や顧客の目線を疑似的に再現できます。SBテクノロジーはこの手法を「仮想レビュー」と呼び、部下と上司双方の確認作業を効率化しています。誤字脱字のチェックや表現の統一、翻訳の精度確認にも活用できます。

資料作成×生成AIで注意したいリスクと対策

効果が大きい一方で、資料作成に生成AIを使う際には次のようなリスクにも注意が必要です。

著作権・引用のリスク

生成AIが出力した文章や画像には、既存の著作物と類似した表現が含まれる可能性があります。社外に配布する資料や公開資料に使う場合は、出典の確認や表現の見直しを行い、他社の著作物をそのまま流用しないよう注意しましょう。統計データやグラフを引用する際は、一次情報の出典を明記することが望ましいです。

情報漏洩・機密情報の取り扱い

顧客情報や未公開の経営情報を安易にプロンプトへ入力すると、情報漏洩につながるおそれがあります。デンソーやSBテクノロジーの事例のように、社内データのアクセス権限をそのままAIのデータ参照権限に反映させる、機密レベルに応じたラベリングを行うといった仕組みづくりが有効です。導入企業の多くは、まず全社的な利用ガイドラインを整備したうえで展開を進めています。

ハルシネーション(誤情報)への対処

生成AIは事実と異なる内容をもっともらしく出力する「ハルシネーション」を起こすことがあります。特に企業名や数値、固有名詞を含む資料では、公開情報や社内資料と照合するファクトチェックの工程を必ず挟むことが重要です。パナソニック コネクトが自社特化AIに回答の引用元を表示する機能を実装しているように、根拠を確認できる仕組みを備えたツールを選ぶこともリスク低減につながります。

どのツールを選ぶべきか

資料作成に使える生成AIには、ChatGPT Enterprise、Microsoft 365 Copilot、Gemini、Claudeなど複数の選択肢があります。すでにMicrosoft 365を全社導入している企業であればMicrosoft 365 Copilotとの親和性が高く、PowerPointやWordに組み込まれた状態ですぐに使い始められる点がデンソーやSBテクノロジーの事例からも分かります。一方、ChatGPT EnterpriseやConnectAIのように独自のAIアシスタントとして展開する場合は、カスタムGPTや自社特化AIとの連携によって、より柔軟な使い方がしやすくなります。目的や既存の業務環境に応じたツール選びのポイントは、ChatGPT・Claude・Copilot 使い分けガイドでも詳しく整理していますので、あわせてご覧ください。

まとめ

資料作成領域における生成AI活用は、単なる時短にとどまらず、資料の質の向上にもつながり始めています。NECやパナソニック コネクトのように全社的な活用実績を定量的に公表する企業が増えており、デンソーやSBテクノロジー、MIXIの事例からは、営業提案書や企画書、レポートなど具体的な業務シーンでの使い方も見えてきました。まずは構成づくりやドラフト作成、レビューといった一部の工程から取り入れ、著作権や情報漏洩、ハルシネーションへの対策を講じながら、自社に合った活用方法を模索していくことが重要です。

参考サイト・引用元

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