Google Antigravityとは
Google Antigravityは、Googleが提供するAIエージェント特化型の開発プラットフォーム(IDE)です。2025年11月18日に無料プレビューとして公開され、2026年5月19日のGoogle I/Oでは、スタンドアロンのデスクトップアプリとして全面刷新した「Antigravity 2.0」が発表されました。エディタでのコード編集に加えて、ターミナル操作やブラウザでの動作確認までAIエージェントが自律的に行える点が特徴で、Claude Code、Cursor、GitHub Copilotと並ぶ「AIコーディングIDE」の主要な選択肢のひとつになっています。
Google Antigravityは、個人利用であれば無料でGemini 3.8 FlashやClaude Sonnet/Opus 4.6などの複数モデルを利用できるAIコーディングIDEです。無料でここまで幅広いモデルを使えるツールは他になく、これから生成AIでのコーディングを試したい人の入り口としても注目されています。
料金プラン|個人は無料、上位アクセスはGoogle AI Pro/Ultra経由
Antigravityの大きな特徴は、単体の有料サブスクリプションが存在しないことです。公式サイトの料金ページによると、プランは次の3種類に整理されています。
| プラン | 月額の位置づけ | 主な内容 |
|---|---|---|
| Individuals(無料) | 0円 | Gemini 3.8/3.7/3.6 Flash、Gemini 3.1 Pro、Claude Sonnet/Opus 4.6、gpt-oss-120bへのアクセス、Tab補完・Commandは無制限、週次のベーシックなレート制限あり |
| Google AI Pro経由 | Google AI Proのサブスクリプションに含まれる | 無料版より緩やかなレート制限、柔軟なAIクレジットプール |
| Google AI Ultra経由 | Google AI Ultraのサブスクリプションに含まれる | Proよりさらに高いレート制限とクレジットプール、最新Geminiモデルへの優先アクセス |
有料プランという単体商品はなく、月額のGoogle AI Pro・Google AI Ultraに含まれる形で上位アクセスが提供される点が、Claude CodeやCursorとは異なります。Google AI Pro・Ultraは本来Gemini本体やGoogleフォト・Driveのストレージ増量などを含む統合サブスクリプションで、複数の解説サイトによると2026年9月時点の月額目安はGoogle AI Proが2,900円前後、Google AI Ultraはストレージ容量に応じて14,500円台と32,000円台の2階層に分かれています。正確な金額は為替や地域、キャンペーンによって変動するため、契約前に必ず公式のGoogle Oneプランページで最新の表示価格を確認してください。
なお、2026年9月時点ではGoogle Cloud経由の「Organization plan」も新たに用意されており、企業がGoogle Cloudの契約の中でAntigravity 2.0とCLIにアクセスできる仕組みも整いつつあります。
Antigravity 2.0の主な機能
エディタとエージェントマネージャーの2画面構成
Antigravityには、従来型のIDEに近い「Editor View」と、複数のエージェントを俯瞰して指示を出す「Agent Manager」の2つの画面があります。Editor Viewではタブ補完やインラインコマンドを使った通常のコーディングができ、Agent Managerでは複数プロジェクトにまたがる複数のエージェントを並行して動かし、進捗を一括管理できます。
サブエージェントとスケジュールタスク
複雑なタスクを検知すると、必要に応じて動的にサブエージェントを立ち上げて並列処理する仕組みが備わっています。また「Scheduled Tasks」機能では、cron形式のスケジュールを設定するだけで、定型的なチェック作業をバックグラウンドで自動実行させることも可能です。
Artifactsによる検証可能な成果物
エージェントが作業内容を実装計画書やスクリーンショット、ウォークスルーといった「Artifacts(成果物)」の形で提示するのも特徴です。ツール呼び出しの生ログだけを見せるのではなく、タスク単位で理解しやすい形にまとめることで、ユーザーが成果を検証しやすくしています。
Antigravity 2.0では、従来のVS Codeフォーク型エディタを廃止し、スタンドアロンのデスクトップアプリとして再設計されました。あわせてAntigravity CLI(旧Gemini CLIの後継)やAntigravity SDKも提供され、ターミナルやカスタムワークフローからの利用にも対応しています。
Claude Code・Cursor・GitHub Copilotとの違い
AIコーディングツールとしてよく比較されるClaude Code、Cursor、GitHub Copilotと並べると、それぞれの立ち位置の違いが見えてきます。
| 項目 | Google Antigravity | Claude Code | Cursor | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|---|
| 形態 | スタンドアロンのデスクトップアプリ+CLI | ターミナル中心のCLIツール | VS Codeベースのエディタ | VS Code等への拡張機能・アプリ |
| 無料プラン | あり(個人向け、複数モデル利用可) | 制限付きで一部あり | 制限付きで一部あり | 制限付きで一部あり |
| 主要モデル | Gemini系+Claude Sonnet/Opusなど | Claude系モデル中心 | 複数ベンダーのモデルを選択可 | 複数ベンダーのモデルを選択可 |
| ブラウザ操作 | 組み込みのブラウザ操作エージェントあり | MCP連携が必要 | 拡張・連携が必要 | 拡張・連携が必要 |
| 課金の仕組み | Google AI Pro/Ultraに内包 | 単体サブスクリプション | 単体サブスクリプション | 単体サブスクリプション |
Claude Codeがターミナル中心でシンプルな操作性を志向しているのに対し、Antigravityはブラウザでの動作確認までエージェントに任せられる「エージェントファースト」な設計が特徴です。当サイトのClaude Code・Cursor・GitHub Copilot・Codex徹底比較やClaude Codeトラブルシューティング完全ガイドもあわせて確認すると、それぞれのツールの得意領域がより明確になります。どのツールが最適かは、普段どのモデルを使い慣れているか、ブラウザでの見た目確認をどれだけ自動化したいかによって変わってくるでしょう。
日本語での使い方・セットアップ
Antigravityは公式ダウンロードページからMac(Apple Silicon/Intel)、Windows(x64/ARM64)、Linux(glibc 2.28以降)向けにアプリをダウンロードし、Googleアカウントでサインインすることで利用を始められます。
日本語対応については、バージョンによって方法が異なる点に注意が必要です。旧バージョン(Antigravity 1.0系)はVS Codeフォークのエディタだったため、VS Code用の日本語言語パック拡張機能を使うことでUIを日本語化できました。一方、VS Codeフォークを廃止したAntigravity 2.0では同じ方法が使えなくなっており、エージェントに日本語で応答させたい場合は、プロジェクト内の設定ファイル(AGENTS.mdなど)に日本語で応答するよう指示を書き込む方法が案内されています。UI自体の完全な日本語化については、今後のアップデートで対応が広がるかどうかを注視したいところです。
最新アップデート(2026年9月)
Antigravityは公式Changelogによると、ほぼ週次に近いペースでアップデートが続いています。直近では以下のような更新がありました。
- 2026年9月15日(v2.14.0):Enterprise/Business向けに、サイドバーから使える統合ターミナルとGitバージョン管理機能を追加。長時間の会話でのメモリ使用量削減や、安定性・アクセシビリティ関連の修正も多数実施。
- 2026年9月9日(v2.13.0):Google Drive上のファイルやPDF、Officeドキュメントを一覧できる「Documents」セクションをサイドバーに新設。大きなコード・データファイル向けの仮想化ビューアーも追加。
- 2026年9月3日(v2.12.2):Enterprise向けにADC経由でGemini 3.8 Flashを選択・利用できるように対応。
- 2026年9月2日(v2.12.0):回答の一部を引用して次のプロンプトの文脈にできる機能や、有料ユーザー向けに多段階の推論パイプラインを使う「/boost」コマンドを追加。
2026年9月15日公開のバージョン2.14.0では、Enterprise/Business向けに統合ターミナルとGitバージョン管理がサイドバーから使えるようになりました。細かなUI改善やバグ修正が非常に多い点からも、Googleがこの製品に継続的にリソースを投入していることがうかがえます。今後も新機能は頻繁に追加される見込みのため、業務利用を検討している場合は公式Changelogを定期的にチェックしておくとよいでしょう。
まとめ
Google Antigravityは、個人であれば無料でGeminiやClaudeなど複数の主要モデルを使えるAIコーディングIDEとして、Claude CodeやCursor、GitHub Copilotに次ぐ選択肢になりつつあります。単体の有料プランを持たず、Google AI Pro/Ultraのサブスクリプションに組み込まれる料金体系や、ブラウザ操作まで含めた「エージェントファースト」な設計は他ツールとの明確な違いです。2026年5月のAntigravity 2.0移行にともないVS Codeフォークを廃止したことで日本語化の手順も変わっているため、導入時は公式ドキュメントとChangelogで最新の状態を確認しながら試してみることをおすすめします。
