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ExcelでコピペできないKB5002914不具合とは?原因・対処法・現在の修正状況

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「Excelでコピーしたはずのセルが貼り付けられない」「オートフィルやセルのドラッグコピーが効かない」——2026年9月中旬から、こうしたトラブルの報告がSNSやMicrosoftのQ&Aフォーラムに相次いでいます。原因は、2026年9月8日(日本時間9月9日)に配信されたOffice向けセキュリティ更新プログラム「KB5002914」です。Microsoftはこの不具合を公式に認めており、9月16日にMSI版Excel 2016向けの修正更新(KB5002665)が公開されましたが、本記事執筆時点(9月22日)でもそれ以外のバージョン向けの恒久修正は提供されていません。この記事では、症状の詳しい内容と対象環境、今すぐ試せる対処法、今後の見通しを整理します。

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何が起きているのか

KB5002914を適用した環境の一部で、Excel上のコピー&ペースト、オートフィル、セルのドラッグによるコピーが「サイレントに失敗する」という不具合が発生しています。厄介なのは、貼り付けに失敗してもエラーメッセージや警告音がいっさい出ない点です。コピー元のセルは選択された状態のまま変化せず、貼り付け先にも何も反映されないため、ユーザーは「操作をミスしたのか、不具合なのか」を見分けにくくなっています。

Microsoftは自社のサポート技術情報および管理者向けのサービスアラートで、この問題が「直近の更新プログラムに含まれるコードのリグレッション(機能低下)」によるものであると認めています。

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対象バージョン

今回の不具合が報告されているのはMicrosoft Officeの以下のバージョンです。

  • Excel 2024
  • Excel 2021(Office LTSC 2021を含む)
  • Excel 2019
  • Excel 2016

Click-to-Run版(Microsoft 365サブスクリプション経由の通常インストール)とMSI(Windows Installer)ベースのExcel 2016の両方で類似の症状が確認されており、特定のインストール形式に限った問題ではない点に注意が必要です。

原因は9月の月例セキュリティ更新

KB5002914は、2026年9月のMicrosoft月例パッチ(セキュリティ更新プログラム)の一環として配信されたExcel向けの修正で、リモートコード実行や情報漏えいにつながる複数の脆弱性に対応するためのものでした。セキュリティ上重要な更新である一方、この更新に含まれるコード変更が意図せずコピー&ペースト関連の処理に影響してしまったとみられています。

なお、Microsoftの2026年9月の月例更新をめぐっては、この件以外にも以下のような不具合が併発しました。

  • Windowsドメインへのログインに失敗する問題
  • Remote Desktop Services(リモートデスクトップサービス)が応答しなくなる問題
  • Hyper-V上のLinux仮想マシンでホストフォルダー共有が利用できなくなる問題
  • 一部のUSBオーディオ機器(USB Audio Class 1.0)がマルチチャンネル再生モードで動作しなくなる問題

このうち、Remote Desktop Services、Hyper-V、USBオーディオに関する問題については、Microsoftが緊急のOut-of-Band(定例外)更新プログラム(KB5129195)を配信し、修正が完了しています。ドメインログインの問題は本記事時点で解決が報告されていません。一方で、Excelのコピー&ペースト不具合はMSI版Excel 2016を除き、本記事時点で未解決のまま残っています。

今すぐできる対処法

MSI版のExcel 2016を使っている場合は、9月16日に公開された修正更新「KB5002665」を適用するのが最優先です(ただし条件付き書式を含むブックでは引き続き失敗する場合があるとされています)。それ以外のバージョンでは恒久的な修正プログラムはまだ配信されておらず、Microsoftは「形式を選択して貼り付け」(Ctrl+Alt+V)を回避策として案内しています。そのため、影響を受けているユーザーの間では「KB5002914を一時的に削除する」対処が広く共有されています。

管理者権限でコマンドプロンプトを開き、お使いのOfficeのバージョンに応じて以下のいずれかを実行します。

Office 2016(MSI版)の場合

"C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\OFFICE16\Oarpmany.exe" /removereleaseinpatch "{90160000-0012-0000-1000-0000000FF1CE}" "{27882596-A8ED-4382-9C71-6CD2DD19F732}" "1033" "0"

Office 2019(Click-to-Run版)の場合

"C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\ClickToRun\OfficeC2RClient.exe" /update user updatetoversion=16.0.10417.20197

Office 2021・2024(Click-to-Run版)の場合

"C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\ClickToRun\OfficeC2RClient.exe" /update user updatetoversion=16.0.20326.20132

なお、Office 2024 LTSC(ボリュームライセンス版)を利用している場合は、上記とは異なるビルド番号を指定する必要があります。バージョン体系がご自身の環境と一致しているか、実行前にOfficeの「アカウント」画面などでビルド番号を確認してから操作することをおすすめします。

また、ユーザーからの報告の中には「配信されたOut-of-Band版に更新しても、シートのコピーや画像を含む大きな範囲のコピーがうまくいかない」といった声もあり、環境によっては上記の対処でも完全には解決しない場合があります。作業中のファイルは、コピー&ペーストに頼らず、こまめに「名前を付けて保存」でバックアップを取りながら作業を進めることをおすすめします。

業務への影響と注意点

Excelは請求書処理や数式を含む集計作業など、日常業務の根幹で使われているツールです。エラー表示が出ないまま貼り付けが失敗するという性質上、「貼り付けたつもりのデータが実際には反映されていない」ことに気づかず、誤った数値のまま資料を作成・共有してしまうリスクがあります。特に経理や在庫管理など、数値の正確性が重要な業務では、貼り付け後にセルの内容を目視確認する運用を一時的に徹底することを検討してください。

今後の見通し

Microsoftは本件について「影響を受ける各バージョン向けに個別の修正を開発・検証中」としており、恒久的な修正は今後の定例更新(次回のパッチ配信サイクル)または追加のOut-of-Band更新で提供される見込みです。すでにRemote Desktop ServicesやHyper-V、USBオーディオ関連の不具合は数日で緊急修正されており、Excelの不具合についても遠くないタイミングで対応が発表される可能性があります。Microsoft 365管理センターのサービス正常性ページや、本記事で紹介したサポート技術情報のページは、今後もこまめに確認することをおすすめします。

まとめ

  • 原因は2026年9月8日配信のセキュリティ更新「KB5002914」
  • Excel 2016〜2024の幅広いバージョンでコピー&ペースト、オートフィル、ドラッグコピーが無反応になる
  • エラーメッセージが出ないため、失敗に気づきにくい点に注意
  • MSI版Excel 2016は修正更新KB5002665で対応済み。それ以外は本記事時点で恒久修正が未提供で、「形式を選択して貼り付け」やKB5002914の削除・ロールバックが当面の回避策
  • 同時期に発生したRemote Desktop Services、Hyper-V、USBオーディオの不具合は緊急更新で修正済み

参考リンク

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