.xlsx と .xlsm は、どちらも Micorosoft Excel で使用されるファイル形式ですが、いくつかの重要な違いがあります。
基本的なファイル形式の違い
- .xlsx
Excel 2007 以降で導入された標準的なファイル形式です。
XMLベースの構造で作られた「オープンXMLフォーマット」を採用しており、以前の .xls よりも圧縮率が高く、ファイルサイズが小さくなっています。
この形式は、マクロやVBAコードを含むことができません。 - .xlsm
.xlsx と同じく「オープンXMLフォーマット」に基づいていますが、大きな違いはマクロ(VBAコード)を含むことができる点です。
Excelマクロを含むファイルは、この形式で保存する必要があります。
マクロの有無
- .xlsx
マクロをサポートしていないため、VBAコードがファイルに含まれている場合、そのコードは保存できません。
マクロが含まれているファイルを .xlsx 形式で保存しようとすると、Excelはマクロが削除されることを警告します。 - .xlsm
マクロを含むことができ、VBA(Visual Basic for Applications)コードを使用した自動化処理や、複雑な計算を行うスクリプトをファイル内に保存できます。
Excelでマクロを使用する必要がある場合は、この形式で保存するのが最適です。
セキュリティ
- .xlsx
ファイルはマクロを含まないため、セキュリティリスクが比較的低いとされています。
悪意のあるVBAコードがファイルに含まれるリスクがないため、信頼できないファイルを開く場合や、外部とのファイル共有時に安全性が高いです。 - .xlsm
ファイルはマクロを含むことができるため、マクロによるセキュリティリスクが発生する可能性があります。
特に、信頼できない送信元からの .xlsm ファイルは、悪意のあるコードが含まれている可能性があるため注意が必要です。
Excelは、デフォルトでマクロを無効にして警告を表示しますが、マクロを有効にする際は注意が必要です。
ファイルサイズ
.xlsx と .xlsm のファイルサイズには大きな違いはありませんが、マクロやVBAコードが含まれている場合、.xlsm ファイルのサイズが若干大きくなることがあります。
通常、Excelデータや数式自体のサイズには大きな影響はありません。
拡張性
- .xlsx ファイルは、一般的な表計算データの保存に適しており、マクロが不要な場合はこの形式を使用するのが理想です。
また、多くの他のアプリケーションやBIツール(Power BIなど)が .xlsx ファイル形式をサポートしており、互換性も高いです。 - .xlsm ファイルは、ExcelマクロやVBAを使った自動化が必要な場合に必須です。
例えば、定期的なレポートの作成、複雑なデータ処理、またはボタンをクリックして自動的に処理が実行されるような操作が求められるケースで使用されます。
使い分けのポイント
- .xlsx を使用する場面
- マクロやVBAコードが不要な場合
- 外部とのファイル共有や配布が目的で、セキュリティを考慮したい場合
- データ解析やBIツールとの連携が必要な場合
- .xlsm を使用する場面
- マクロを使用して作業の自動化や複雑な処理を行いたい場合
- VBAコードを使用した高度なカスタマイズが必要な場合
- 定期的に実行するスクリプトや、特定の操作に応じた自動化プロセスが含まれている場合
結論
.xlsx と .xlsm の主な違いは、マクロをサポートするかどうかにあります。通常の表計算データや数式を保存する場合は .xlsx 形式で十分ですが、マクロを含める必要がある場合は .xlsm を使用する必要があります。