Azure OpenAI Serviceを利用していますが、体系的に学べる書籍が出てきています。
Azure OpenAI ServiceとAzure AI Searchを利用したアプリケーション開発を学べる書籍を紹介します。
私も実際に購入して、記載されたサンプルコードを参考に、AI Searchのインデックスを作成することができました。
さらに、作成したインデックスを用いて、独自データを読み込ませた上でのチャットアプリケーションを作成できています。所謂RAGの実装に役立ちました。
『Azure OpenAI Service実践ガイド ~ LLMを組み込んだシステム構築』概要
ご紹介する書籍の概要は以下のとおりです。
- タイトル:Azure OpenAI Service実践ガイド ~ LLMを組み込んだシステム構築
- 発行日:2023年12月25日(第1版第1刷)
- 発行:日経BP
- 著者所属:アバナード株式会社
- ページ数:379
- 定価:3,600円+税
5名の共著になっており、全員がアバナードの方です。
アバナード株式会社は、アクセンチュアとマイクロソフトの合弁会社で、マイクロソフト製品に強みをもっています。
構成は以下のとおりです。
- 第1章:Azure OpenAIとは
- 第2章:ChatGPTに関する基礎知識と概要
- 第3章:なぜAzure OpenAIを使うのか
- 第4章:Azure OpenAIの環境構築
- 第5章:Azure OpenAIに関するツールや技術
概要部分(第1章~第3章)にも80ページほど割かれており、前提知識もしっかり学びたい方におすすめです。
また、第5章で、Azure AI Search、Grounding/RAG、On you data、LangChain、Semantic Kernel、Function Calling、プロンプトフローなどのキーとなる技術に関して、サンプルコードや画面キャプチャを盛り込んで説明してくれています。
Azure OpenAI Service
書籍を探している方には、不要かもしれませんが、Azure OpenAI Serviceの基本的な内容を記載しておきます。
Azure OpenAI Service の概要
Azure OpenAI Service は、OpenAI 社の GPT などの AI モデルをAzure内で利用できる Microsoft社 の法人向けサービスです。
GPT は、自然言語生成タスクに特化したモデルであり、API 経由でアクセスできます。
開発者は使いやすい API を通じてアクセスし、既存のアプリケーションやサービスに統合することができます。
利用可能なモデル
Azure OpenAI Service では、GPT-4、GPT-4 Turbo with Vision、GPT-3.5-Turbo、埋め込みモデル シリーズなど、OpenAI の強力な言語モデルに REST API でアクセスできます。
これらのモデルは、特定のユースケースに応じて微調整できるため、さまざまなアプリケーションで活用できます。
価格と利用方法
Azure OpenAI Service は従量課金制で利用できます。料金はこちらから確認できます。
このサービスは、AI を活用したアプリケーションの構築や自然言語生成に興味がある方にとって非常に有用です。5 また、Azure OpenAI Service ではじめる ChatGPT / LLM システム構築入門という書籍もあり、詳細な情報を学ぶのに役立ちます6。
Azure AI Search
Azure AI Searchの主な特徴と機能
Azure AI Search(旧称: Azure Cognitive Search)は、Microsoftが提供する検索サービスで、ユーザー所有のコンテンツに対して安全な情報取得を大規模に提供します。
AI Searchは、従来の検索アプリケーションや生成型AI検索アプリケーションに適しており、テキストとベクトルを表示するアプリケーションの基盤となります。
インデックス作成
ドキュメントを検索可能にするために、インデックスを作成します。インデックスは、テキストとベクトルの情報を格納するデータ構造です。
インデックスはJSON形式で定義され、Azure AI Searchにアップロードされます。
検索の種類
AI Searchは、いくつかの検索をサポートしています。
- フルテキスト検索
テキストの内容をキーワードで検索するアプローチです。ユーザーが入力したキーワードに基づいてドキュメントを検索します。 - ベクトル検索
ベクトル空間モデルを使用して、類似性に基づいてドキュメントを検索します。ベクトルは、単語や文書の意味的表現を捉えるために使用されます。 - セマンティック検索
テキストの意味を理解して検索するアプローチです。意味的に関連するドキュメントを返します。 - セマンティックハイブリッド検索
フルテキスト検索とセマンティック検索を組み合わせたアプローチです。キーワードと意味の両方を考慮して検索します。
紹介した書籍『Azure OpenAI Service実践ガイド ~ LLMを組み込んだシステム構築』では、インデックスの作成と各種検索を行うPythonコードが紹介されており、記載内容を参考に検索まで実装することができました。
クエリの実行
ユーザーが入力したクエリに基づいて、検索インデックスからドキュメントを取得します。
セマンティックランキングを使用して、意味的に関連性の高い結果を上位に表示します。
Azure AI Searchは、生成AIアプリケーションやRAG(Retrieval-Augmented Generation)の構築にも役立ちます。
外部ソースのデータを活用して、最新の情報を取得し、生成AIの回答を補完することができます。
書籍内でも紹介されていたのですが、以下のサンプルアプリケーションはかなり参考になっています。
おわりに
新たな技術が次々と登場する業界ですが、基礎含めて学んでおくことは重要と思います。また、Microsoft、OpenAIは生成AIの先行企業ですので、今後を見据えても、読んで損のない書籍と思います。